ニチハ パミール 塗れない屋根
みなさま、こんにちは!
(株)屋根と壁のお店のブログ担当佐藤です。
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屋根のリフォームを検討している方の中には、「パミール」という屋根材について聞いたことがあるかもしれません。ニチハの「パミール」は、1996年から2008年頃に販売されていたスレート屋根材ですが、経年劣化による【層間剥離(ミルフィーユ状に剥がれる現象)】が発生しやすいことで知られています。
「見た目はそれほど悪くないのに、塗装ではメンテナンスできない」と言われることが多いパミール屋根。なぜ塗装がNGなのか、そしてどのような対策が必要なのかを詳しく解説します。
本ブログを読めば、パミール屋根のリフォームを適切に進めるための知識が身につくはずです。
目次
- パミールとは?
- パミール屋根の主な問題点
- パミール屋根の見分け方
- メンテナンスは可能?塗装がNGな理由
- パミール屋根の適切なリフォーム方法
① カバー工法(重ね葺き)
② 葺き替え工事 - まとめ
1. パミールとは?|特徴と販売時期
パミールは、ニチハ株式会社が1996年~2008年頃に販売していたスレート屋根材です。スレート屋根とは、セメントと繊維を混ぜて成型した薄い板状の屋根材のことで、軽量で施工しやすいことから多くの住宅で使用されています。
しかし、パミールはノンアスベスト仕様の初期製品であり、耐久性の問題が発生しました。当時、アスベスト(石綿)が含まれた屋根材は耐久性に優れていましたが、アスベスト規制が始まり、メーカー各社はノンアスベスト屋根材を開発しました。ところが、アスベストの代替となる繊維の技術が未成熟だったため、経年劣化が早いという問題が発生してしまったのです。
現在では販売終了しており、新規施工されることはありませんが、当時パミールを使用した住宅はまだ多く残っています。
2. パミール屋根の主な問題点|なぜ劣化しやすいのか?
パミール屋根が問題視される最大の理由は、【層間剥離(ミルフィーユ状に剥がれる現象)】です。通常のスレート屋根は、塗装や適切なメンテナンスで耐用年数を延ばせますが、パミールはそれが難しい構造になっています。
パミール屋根の主な問題点
・層間剥離が発生し、屋根材がボロボロになる
・築10~15年ほどで急激に劣化が進行する
・塗装してもすぐに剥がれるため、メンテナンスが困難
・破片が落下することで危険が伴う
・最終的に雨漏りのリスクが高まる
スレート屋根の一般的な耐用年数は20~30年程度ですが、パミールは10~15年で劣化が顕著になります。特に、屋根の表面が剥がれ落ちることで防水機能を失い、雨漏りが発生するケースが多く見られます。
3. パミール屋根の見分け方|自宅の屋根は大丈夫?
パミール屋根かどうかを判断する方法はいくつかあります。
・屋根材の表面がミルフィーユ状に剥がれている
・触るとボロボロ崩れる
・ひび割れや反りが目立つ
・築10~15年以上経過している
特に、屋根の表面がペリペリとめくれるように剥がれる場合は、パミールの可能性が高いです。もし疑わしい場合は、専門業者に点検を依頼するのが確実です。
4. メンテナンスは可能?塗装がNGな理由
結論から言うと、パミール屋根は塗装でのメンテナンスができません。
一般的なスレート屋根は、塗装によって表面の防水機能を回復できます。しかし、パミールは塗装してもすぐに剥がれてしまうため、根本的な対策にはなりません。
塗装がNGな理由
・表面が剥がれるため、塗料が密着しない
・塗装の効果が短期間で失われる
・長期的に見てコストが無駄になる
そのためパミール屋根は塗装ではなく、リフォームによる根本的な対策が必要です。
5. パミール屋根の適切なリフォーム方法
パミール屋根を修理・リフォームする場合、主に以下の2つの方法が考えられます。
① カバー工法(重ね葺き)
方法: 既存のパミール屋根の上から、新しい屋根材を重ねる工法
メリット
・工期が短く、費用を抑えられる
・既存屋根を撤去しないため、廃材処分費がかからない
・防音・断熱効果が向上する
デメリット
・屋根が少し重くなる(軽量なガルバリウム鋼板なら問題なし)
② 葺き替え工事
方法: パミール屋根を完全に撤去し、新しい屋根材に交換
メリット
・根本的にパミール屋根の問題を解決できる
・屋根の下地も確認でき、長期的に安心
デメリット
・撤去・処分費用がかかるため、コストが高い
・工期が長くなる
6. まとめ
パミール屋根は、経年劣化による層間剥離が起こるため、塗装ではメンテナンスできない屋根材です。築10~15年経過した場合は、早めにリフォームを検討することが重要です。
リフォームの選択肢としては、カバー工法または葺き替え工事が有効です。
もし自宅の屋根がパミールかもしれないと思ったら、専門業者に点検を依頼し、適切なリフォーム方法を検討しましょう。早めの対策が、安心して暮らせる家を守る第一歩です。
本ブログが、大切なお家のためにお役立ていただけますと幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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